本日は、Windowsのデータ削除機能だけでは不十分?について紹介します。
多くのユーザーがパソコンを処分する際や、機密情報を含むファイルを削除する時、Windowsの標準機能でデータを削除することに頼りがちです。しかし、Windowsの「ごみ箱」や「フォーマット機能」を使ったデータ削除は、実際には完全な消去とは言えません。削除したデータはすぐにアクセスできなくなるものの、特殊な復元ソフトを使えば簡単に復元できてしまうことがあるからです。本記事では、Windowsのデータ削除機能が不十分な理由と、完全消去を実現するための追加対策について解説します。
1. Windowsのデータ削除機能の限界
まず、Windowsでファイルを「削除」すると、単にファイルが見えなくなるだけで、データ自体はディスク上に残っています。これが可能なのは、ファイルシステムがデータの位置情報を管理しているだけで、実際のデータそのものはハードディスクやSSD上に存在し続けるためです。これにより、ファイル復元ソフトを使用すれば、元のデータが復元されるリスクが残ります。
さらに、ディスクの「フォーマット」機能も、クイックフォーマットの場合はディスクのインデックス情報をリセットするだけで、データそのものは物理的に残されたままです。これもまた、専用の復元ツールを使えば簡単に取り出せる可能性があります。
2. 完全消去を実現する追加対策
データを完全に消去するためには、Windowsの標準削除機能に加えて、いくつかの追加対策を行う必要があります。以下に代表的な方法を紹介します。
2-1. 専用のデータ消去ソフトウェアを使用する
最も手軽で効果的な方法の一つは、専用のデータ消去ソフトウェアを使うことです。これらのソフトは、データの上書きを繰り返すことで、物理的にデータを消去します。代表的なソフトには、「CCleaner」や「Eraser」などがあり、これらを使用することで、データが復元されない状態にすることが可能です。
例えば、「Eraser」というソフトでは、ファイルやディスク全体に対して、米国国防総省(DoD 5220.22-M)準拠の消去アルゴリズムを適用することで、非常に高いレベルでのデータ消去を行うことができます。データを何度も上書きすることで、復元の可能性を極限まで減らすことができます。
2-2. セキュリティ付きフォーマットを行う
Windowsでフォーマットを行う場合も、単にクイックフォーマットではなく、「完全フォーマット」や「セキュリティ付きフォーマット」を選択することが重要です。これは、ディスク全体に対してゼロデータやランダムなデータを書き込むことで、従来のデータを上書きし、復元されにくい状態にします。
また、SSDの場合は「Secure Erase」という特殊なコマンドを使って、SSD全体のメモリセルに対してデータの完全消去を行うことが可能です。これはSSDメーカーが提供する専用ツールで行うのが一般的です。
2-3. 物理的な破壊
最後の手段として、物理的にデバイスを破壊する方法もあります。特に機密性の高いデータが含まれている場合は、ハードディスクやSSDを物理的に破壊し、データの取り出しが物理的に不可能な状態にすることが推奨されます。ドリルでハードディスクを穴だらけにしたり、専用のシュレッダーで物理的に粉砕することで、データ復元を防ぐことができます。
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Windowsのデータ削除機能だけでは、データを完全に消去するには不十分であり、復元ツールを使えば取り戻せるリスクがあります。特に重要なデータや機密情報を消去する際は、専用のデータ消去ソフトやセキュリティ付きフォーマットを使う、あるいは物理的にデバイスを破壊するなど、追加の対策を講じることが重要です。データの取り扱いには常に慎重を期し、適切な方法で完全な消去を行いましょう。
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