パソコンが起動しない確認手順と原因別の対処方法

「パソコンが起動しない、ロゴは出るのに先に進まない、ファンは回るのに黒い画面のまま起動しない」という症状に悩まされた方も多いのではないでしょうか?

パソコンが起動しないときに、効率的に対応するには適切な手順を踏む必要があります。パソコンが起動しない原因としては、OSであるWindowsの問題や、パソコン内部のパーツの故障などが考えられます。まずはパソコンの特徴を知り、それに合った簡単な復旧作業から試してみましょう。本記事ではパソコンが起動しない場合に役立つ情報を解説していきます。

 

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起動しない場合に知りたいパソコンの特徴

パソコン内部パーツの故障

パソコンの起動不良の原因の多くは内部パーツの故障です。マザーボードは比較的長持ちしますが、HDD(ハードディスク・ドライブ)や電源ユニットといった中核パーツには寿命があるのも事実です。そのため、古いパソコンが起動しないときには、単純に内部パーツの寿命である可能性があります。そこで、まずは年式をチェックしましょう。HDDなどは中核パーツではありますが、汎用パーツなので比較的代替品が見つけやすいと言えます。

この場合は交換することになります。なお、HDD内に重要な情報が入ったまま故障してしまっても、物理的に損傷を受けていなければ、データの復旧は可能です。一方でマザーボードや電源ユニットなどの機種ごとの専用部品になると問題です。あらかじめ決められた修理対応部品の保管期間が過ぎると、パーツの入手が困難になることがあるからです。ただし、業務利用中のプログラムがあり、どうしても新機種への移行が難しいときなどで交換部品がない場合でも対応方法はあります。ジャンクショップと呼ばれる中古パソコン販売店で部品取り用の機械を探すのです。そして、メーカーからの供給が停止しているパーツを、同じ機種の機械から流用して修理・交換に使います。なお、古いパソコンの起動不良の場合は、電源ユニットのパーツの劣化がよく知られている原因のひとつです。

ディスプレイの故障

パソコンのディスプレイが問題で「起動しない」と勘違いするケースがあります。パソコン内部には故障がなく立ち上がっていても、ディスプレイが正常に作動していないことで起動不良に見えてしまうのです。ノートパソコン「LAVIE」や旧「PC-LL750」は液晶パネルやバックライトが故障することがあります。どちらの故障でも、液晶モニターが全く動作しなくなる場合があるのです。もちろんパソコン内部に問題がなければ、この障害が復旧することで問題なく起動できます。

交換部品の供給に関しては、古いノートパソコンは互換性が低い2灯式バックライト方式の液晶パネルが採用されているケースが多くみられるので注意が必要です。純正部品供給期間を過ぎた場合は、中古パーツ市場から取り寄せて交換対応する手間がかかります。なお、一部の高性能LAVIEシリーズでは、バックライトが赤色発光し、いずれ寿命を迎えて切れてしまう現象が知られています。この場合も他に問題がなければ、液晶パネルを交換することで起動不良から回復する可能性が高いと言えるでしょう。

 

パソコンが起動しない場合に行う手順

電源をチェック

パソコンの起動不良の主な原因に電源系のトラブルがあります。起動に必要な電力が供給されないと、当然ですがパソコンは立ち上がりません。また、パソコンの筐体内部に不必要な電気が帯電していて起動不良を起こすことがあります。原因は次の手順でチェックしてみましょう。まず最初に、電源ケーブル・コードがしっかり接続されていることを確認します。普段、延長コードを使って給電している場合は、そのコードやプラグの接触不良もありうるため、コンセントに直差しして起動するかどうかを検証する必要があります。ここで問題がないにもかかわらず起動しなければ、次に、バッテリを取り外してACアダプタからの給電のみで起動してみるのです。

バッテリなしの状態で起動すれば、少なくともACアダプタやケーブル接続の問題ではなく、バッテリに問題がある可能性が疑われます。実際、何度も充電・放電を繰り返したバッテリは起動不良の原因になるケースが知られています。定期的に新しいものと交換することでトラブルを防ぐ対策も必要です。これでもまだ起動しないときには、筐体内部の帯電を疑いましょう。ACアダプタなどを外し、時間を置いてパソコン内部のコンデンサーなどに溜まった電気を放電させます。この3つのステップを試してもうまくいかなければ、パソコン内部やディスプレイに問題があると考えてよいでしょう。

外部接続を遮断

パソコン自体が正常であっても、周辺機器やネットワークなどに接続していることが起動しない原因になることがあります。たとえば、起動中に外部接続機器から何らかの信号を受け取ってしまい、それが起動を停止させる場合があるのです。これを検証するには、パソコンを購入時の状態に戻す方法があります。まず、USBメモリや外付けHDDなどの外部ストレージを外し、ディスクドライブに挿入されたままのCD・DVDをすべて取り出します。プリンター、スキャナーなどの外部接続機器も取り外しましょう。

また、LANケーブルやWiFiによるネットワーク接続も遮断します。この段階で起動してみて上手く行かなければ、メモリが原因かもしれません。NECのパソコンを購入した後に自分でメモリを増設している場合などは、それを取り外してみます。実際、メモリの不具合や機器との相性が悪くて起動不良になることはよくあることです。購入時の状態に戻してみて、それで起動できれば周辺機器などの外部要素がトラブルの原因であることがわかります。

再起動・システムの修復

運良く起動はできても、途中でフリーズしたりWindows起動まで至らなかったりする場合には再起動を実行してみます。再起動をしても問題が解決されないときは、まず外部接続機器や増設したメモリの取り外しをして再度試してみましょう。それでも同じ不具合が続くのであれば、システムの修復を実施します。Windows10には「スタートアップ修復」機能が備わっており、システムファイルの欠落や損傷など、起動時の特定の問題を修復できるので便利です。LAVIEの場合、パソコンの電源を入れてNECのロゴが表示されたらすぐに「F2」キーを数回押すと「BIOSセットアップユーティリティ」が起動し、OSリカバリーモードに入れます。

温度のケア

パソコンのハードウェアの不具合を起こす原因として「熱」の問題があります。パソコンは発熱する部品が多いにもかかわらず、熱に弱いという特徴があります。そのため、排熱ファンや放熱フィンなどの温度を下げるための仕組みがついているのです。それが上手く作動せずにCPUやHDDなどが高温になると、強制的にシャットダウンしたり、画面がフリーズしてしまったりという不具合を起こすことがあります。デスクトップタイプの筐体であれば内部空間に余裕があるため熱の問題は起こりにくいのですが、ノートパソコンなどでは事情が違います。マザーボードやHDDといった主要なパーツがコンパクトに密集しており、熱を持ちやすい構造になっているのです。

また、長年使っていると内部や排熱ファンにホコリがたまって熱が滞留する原因になり、起動を妨げることもあります。さらに、室温が高い場所や、直射日光を受ける場所にパソコンが置かれていると、熱の問題で起動不良を起こす可能性が高くなります。このようなケースでは、修理や部品交換ではなく環境を整えることで問題が解決するはずです。具体的には、筐体内部のホコリをブロアーなどを使って吹き飛ばしたり、熱の影響の少ない場所に設置したりするとよいでしょう。予算に余裕があれば、冷却ファン付きのノートパソコン台なども活用すると快適な作業環境を構築できます。

WindowsOSのトラブルを調査する

パソコンが起動しない場合、これまでに紹介した電源系や外部接続、温度といった項目をチェックするのですが、それでも効果がないときもあります。そうなったら、WindowsOSのシステムトラブルを疑ってみましょう。具体的にはパソコンの電源投入後、起動シークエンス画面に「NEC」や「LAVIE」といったロゴは表示されるものの、そこから先の画面へ遷移しない現象があります。この場合はほとんどがWindows OSに問題がある可能性が高いといえるのです。パソコンはハードウェアとソフトウェアの2つの要素からできています。

ハードウェアとしてのパソコン本体部品そのものには損傷や不具合がなくても、ソフトウェアであるWindows OSに問題があればパソコンは起動できません。OSの不具合には部品交換等は不要で、軽い障害であれば基本的には再起動や自動修復によって回復できることがほとんどです。もし、それでも効果がなければWindows OSの修復作業に着手する必要があります。

WindowsOSを修復する方法

Windows OSに問題がある場合は、4つの手順で修復を試みます。セーフモードで起動する、再セットアップを行う、スタートアップ修復をする、再インストールを行うという順番で作業を行いましょう。1つ目の「セーフモード」は、必要最低限のファイルやドライバーだけを用いて、軽微な不具合を修復しながら起動するモードです。起動できたらデータのバックアップを取っておきます。2つ目の「再セットアップ」は、パソコンを初期状態に戻す作業です。データに関しては、個人用ファイルを残すか、すべて削除するかが選択可能です。

3つ目の「スタートアップ修復」では、標準でインストールされている「BIOSセットアップユーティリティ」を実行することで起動時の問題を修復できます。ここまでやってみて改善が見られないときには、WindowsOS自体の「再インストール」を行うのです。別のパソコンを使って「回復ドライバ」をUSBメモリに作成し、そのドライバをもとに全く新しい状態でシステムを再構築します。

 

パソコン内に問題がある場合の対処方法

パソコン内に問題がある場合の対処方法を整理してみましょう。まず、起動できない原因が、OSのシステムトラブルなどのソフトウェア系の問題であれば修復操作で回復できる可能性があります。小さな問題であればセーフモード起動などで修復できることがあり、大きな問題なら最終的にはOSの再インストールで解決するはずです。その一方で、画面が全く反応しなかったり、電源を入れても作動している様子がなかったりした場合はハードウェア系に深刻な故障が生じている可能性が考えられます。マザーボードやHDDなどの修理・交換が必要です。

このとき、物理的にパソコン内部を診断して原因を特定できれば、問題のあるパーツを交換することでトラブルが解決する可能性があります。メーカーの修理対応期間を過ぎても古い機種を長く愛用している人も多いといわれています。そのため、あらかじめ中古で部品を調達してストックしておくユーザーもいるようです。

 

パソコンの修理はどこに依頼するのがおすすめ?

パソコンを修理したいときには、2つの方法があります。ショップへ持ち込む方法とパソコン修理業者に依頼する方法です。まず、公式サイトにある診断ページで、パソコンの状態を入力して修理が必要かどうかを診断しましょう。修理が必要となれば、メーカーか修理業者のどちらかに依頼するのです。メーカーへの修理依頼は、旧型の機械だと保守部品の在庫がなければ対応してもらえないことがあります。

法律で定められている保守部品の保有期間を過ぎてしまえば、メーカーとしての修理サービスを停止することもあるのです。そうなると、修理業者へ依頼することになります。メーカーではなく一般の修理店へ依頼する場合には、パソコンの修理実績が豊富な店を選んだほうがよいでしょう。そのような店であれば安心して任せることができます。

 

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