パソコンのメモリが足りない場合は後から増設をすることもできます。しかし、自分で増設するとパソコンが起動しないなどトラブルが多いものです。そのようなときに慌てて対処をすると故障につながりやすいので注意しましょう。パソコンが起動しないときの原因は症状から特定することが可能です。そのうえで何をしたらいいのか、自分でできる対処方法について紹介していきます。
メモリを増設したときに起動しない4つの症状
メモリ増設の後にパソコンが起動しない症状には主に4つのパターンがあります。まずそれぞれの症状から原因を特定していきましょう。
画面が映らない・電源を押しても起動しない
パソコンが正常に起動しないときはいくつかの症状に分かれます。電源ボタンを押しても画面が暗く点灯しないなら、通電していないということです。この場合はパソコン本体に問題があると考えることができます。起動音がまったくしないのもパソコンに原因があるのかもしれません。ただし、電源アダプターが外れているなどの初歩的なミスもあります。きちんと電源は取れているのか、ファンは回るのか、ノートパソコンであればバッテリー残量は十分かどうかなども確認が必要です。
電源が入っているのに画面に何も表示されないこともあります。この場合はメモリまたはパソコン本体のいずれかに原因があることが疑われます。画面が表示されても、メーカーなどのロゴから画面が切り替わらなくなる場合も同じです。メモリやパソコン本体に不具合が生じている可能性が出てきます。電源が入っても画面が暗い、または表示が変わらないといった症状のときはメモリを外してみましょう。その状態で起動できれば、増設したメモリに原因がある可能性が高くなります。
ブルースクリーンになる
電源を入れても正常に画面が表示されない症状に、ブルースクリーンと呼ばれるものがあります。ブルーバックともいわれる症状で、画面はその名の通りブルーです。ブルーの画面には白い文字列でエラーコードが並んでいます。ブルースクリーンは作業中に表示されることもありますが、起動しないときにも起こりやすい症状の一つです。特にメモリ増設を行った後で発生したら、メモリに原因があるのかもしれません。ただし、パソコン本体に原因が隠れている場合もあります。この症状が進行するとデータが消失することもあるので注意しましょう。
ビープ音が鳴る
パソコンに何らかの不具合が起こっているときに鳴る音をビープ音といいます。音のタイプは「ピー」または「ピピッ」といったものです。電源を入れても起動せず、この音が鳴っているなら異常が発生しているということです。これはどのパソコンにも搭載されている機能で、音でどこに問題があるのか判断できます。音が鳴っていると慌てるかもしれませんが、まずは落ち着いて音を聞き分けてみましょう。
例えば、長音で2回ならCMOSに不具合が出ているという意味です。CMOSとはBIOS情報を記憶するメモリのことで、初期化で改善されることもあります。短音で1〜3回程度鳴る場合はメモリに異常があるのかもしれません。短音が4回ならリアルタイムクロックのエラーが疑われます。しかし、同じ短音でも5回以上続くなら要注意です。マザーボードやCPUなどパソコンの中枢部分に問題がある可能性が高くなります。破損や接触不良など、パソコンが正常に使えないことを警告しているのです。
再起動を繰り返す
再起動を繰り返してしまうのもメモリが原因で起こりやすい症状といえます。ただし、パソコン本体が原因になっている場合もあります。症状を見ながら慎重に判断しましょう。パソコン本体ならシステムファイルに異常があるのかもしれません。その場合は再起動の他にフリーズするという症状もよく起こります。またはマザーボードの不具合が発生している可能性があります。古いパソコンであれば、電源の劣化なども考えてみましょう。それまで正常に起動していたパソコンなら、メモリを疑った方がいいかもしれません。メモリが原因になっている場合は接触不良を起こしている可能性が高いといえます。
メモリが原因で起動しないケースと対処方法
メモリに問題があって起動しない場合でも、その症状はさまざまです。症状に応じて対処方法も変わってきます。ここでは、起動しない場合の事例とそれぞれの対処方法について説明していきます。
メモリの装着が不完全
自分で増設をしたときに起こりやすい事例に、メモリ装着の不完全があります。本来設置すべき位置にメモリが装着されていないことが原因です。メモリを設置したとき、目視ではきちんとささっているように見えるかもしれません。しかし、埃など目には見えにくいものが紛れていた場合、隙間が空いてしまうことがあります。そのようなミスを防ぐには、装着前に埃をはらっておくことが重要です。スロット内部をエアダスターできれいにしてから、もう一度メモリを装着してみましょう。
メモリの向きをそもそも間違えていることもあります。念のため、メモリの向きが合っているかどうかパソコンの取扱説明書を確認することが大切です。間違えていたら正しい向きで装着しておきます。メモリ増設の経験があっても、設置するときに不完全になってしまうことはあります。隙間や向きなど考えられることを試してみましょう。設置をやり直してみて正常に起動ができれば、他には問題がないということです。そのままパソコンを使っても心配は要りません。
メモリがパソコンに対応していない
せっかく増設しても、パソコンに対応していないメモリだったということは珍しくありません。正規品を購入した場合でもパソコンに合っていないことがあります。非対応のメモリを装着すればパソコンは起動しないので注意しましょう。そもそもメモリ増設のメリットは、パソコンの動作環境を快適にすることです。そのため、メモリを選ぶときは容量に注意がいきやすいかもしれません。メモリにはさまざまな規格があります。規格によってどのパソコンに対応できるかが変わってくるのです。メモリはDDR、DDR2、そしてDDR3とDDR4の4種類の規格に分かれています。この4種類はピンの数などに違いがあり、互換性はありません。
さらに、DDR4だけでもDDR4-1600、DDR4-1866にDDR4-2133、DDR4-4266など7種類もの規格が存在しています。しかもDDR4のピン数はどれも同じなため、さらに間違えやすいといえるでしょう。同じDDR4でもパソコンに対応できないものもあるのです。パソコンに対応したメモリを選ぶには、購入時にしっかり確認しなければいけません。パソコンのメーカーによっては、公式サイトで確認できるようにサポートされています。必ず公式サイトで対応可能なメモリの規格や型番を確認しておきましょう。自作のパソコンの場合も確認は可能です。その場合はマザーボードがどのメモリの規格と型番に対応しているのか確認します。
メモリの相性が悪い
別々のメモリブランドを使用した際などで組み合わの相性が発生することがあります。メジャーなメーカーの方が相性トラブルは少なくなります。メモリに増設する際にはできるだけ、同じブランド、スペックのメモリに揃えるのが不具合の心配もなくオススメです。
メモリが不良品
メモリが不良品であれば、パソコンは起動できません。装着の不備もなく規格や型番にも問題がないなら、不良品の可能性を考えてみましょう。不良品が出やすいのは純正品以外のメモリです。容量にもよりますが、純正品のメモリは決して安いとはいえません。一方、無名ブランドのメーカーなら手頃な価格で購入しやすいというメリットがあります。しかし、その代わり不良品が多いことがデメリットです。ただし、必ずしもメジャーブランドのメーカー品であれば安心できるわけではありません。バルク品の場合は注意した方がいいでしょう。
バルク品とは簡易包装で販売する商品のことです。バルク品は安価な商品が多く、輸送の段階で破損や故障などのリスクが高まります。不良品であるかどうかは増設前に使っていたメモリをさしてチェックできます。増設前のメモリでパソコンが起動すれば不良品かもしれません。新しいメモリに交換してもらうことが望ましいですが、無理な場合は純正品を購入した方がいいでしょう。
メモリをテストしてみよう
1.「スタートメニュー」 → 「Windows管理ツール」 → 「Windowsメモリ診断」
2.今すぐ再起動して問題の有無を確認する(推奨)」をクリック
3.再起動されて診断が開始。ステータスバーが進行します。診断が終わると自動的に再起動します。
4.イベントビューアーで診断結果を確認。
「スタートメニュー」 → 「Windows管理ツール」 → 「イベントビューアー」を選択
5.「Windowsログ」 → 「システム」→ ソースのタブで「MemoryDiagnostics-Results」を選択。
全般内で「エラーは検出されませんでした。」が表示されたら完了
改善できない場合は?
対処法で改善しない場合、システムのトラブルやメモリ増設時に別のパーツに触れて故障したなど複数の原因が組み合わさっている可能性もあります。パソコンを分解してパーツを交換すれば改善するかもしれませんが、失敗すれば更に状態が悪化して修復できない状態に陥る可能性もあります。
対処方法を試しても改善しない、わからない場合はパソコン修理の専門店パソコンシェルジュにお任せください。
店舗一覧はこちら
お近くに店舗がない場合は郵送での修理も承っております。郵送方法などはこちら
ご依頼・ご相談はこちら